誰もが知る芸能事務所の最大手、株式会社ホリプロは、タレントのマネージメント以外にも、多岐に渡る事業を展開している。中でも舞台ファンにとって今や欠かせないのが、長年に渡り幅広く数多くの作品を手掛けてきたホリプロの演劇事業である。その成果は、ミュージカル『ピーターパン』に始まり、蜷川幸雄演出作品から『デスノート the musical』まで枚挙にいとまがない。 しかしここ最近は社長の陣頭指揮のもと、とりわけ大きなインパクトを演劇界に次々と放ち続けている感がある。その最たるものが、『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』(2017)や『メリー・ポピンズ』(2018)だ。前者は長期に渡る子役オーディションを経て、日本のミュージカル界に一大旋風を巻き起こし、第43回菊田一夫演劇賞・大賞や第25回読売演劇大賞・選考委員特別賞などに輝いた画期的上演だった。後者はキャメロン・マッキントッシュにディズニー