出版不況の中、通常1~2割とされる重版率が6割を超える小さな出版社がある。兵庫県明石市のライツ社だ。意思決定の速さと、妥協を許さない本作り。出版業界ならではの流通制度にもしっかり乗り、ヒット作を相次いで送り出している。(鎌倉優太) 「とにかく本作りに集中したい。内向きの時間をつくりたくない。だから、誰かの決裁をもらう社内政治とか企画会議とか、いらないんです」。社長で編集長の大塚啓志郎さん(36)が断言した。 凝った企画書も作らない。アイデアは、アルバイトを含む全社員7人がLINE(ライン)を使って出し合うが、返事のない「既読スルー」なら、その案はボツだ。「書店に並ぶ本の表紙の情報量ってそれくらいやと思うんです。ぱっとタイトルを見ておもしろいと思うかどうか。表紙に企画書の文章を何百字も書けないでしょう」 その考えは、過去の経験が基になっている。大学卒業後、京都市内の企業の出版部門に勤め売り上
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