超硬派のゲーム雑誌「ゲーム批評」の元編集長で、ゲーム開発・産業を支援するNPO法人「国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)」元代表の小野憲史さんが、ゲーム業界の現在を語る「小野憲史のゲーム時評」。今回は、苦戦するスマホゲーム会社の現状について語ります。 ◇ スマホゲーム業界が総崩れだ。ドワンゴのゲーム事業は象徴的で、2018年4~12月期の業績は、売上高900万円に対し営業赤字8億600万円と発表された。18年11月から提供している位置情報ゲーム「テクテクテクテク」の不振が原因で、当初ゲーム事業は19年3月期通期で売上高50億円、営業利益25億円の強気の数字を見込んでいた。だが収益化に結び付かず、開発費用を一括償却してこの状況となった。私もゲームを楽しんでいた一人だったので、このニュースには驚かされた。 18年10~12月期の決算発表では、減収減益、赤字転落の会社も目立った。「モンスター