地球上には不変のルールというものがある。太陽は東から昇り、りんごは木から落ちる。そして、生物は生きるために酸素を吸う…はずだった。だがこちらは不変ではなかったかもしれない。 今年初め、クラゲに似た寄生虫が発見された。それは多細胞生物でありながらミトコンドリアDNAがなかった。 つまりは呼吸をしない。生存する上でまったく酸素に頼っていないのだ。知られているものとしては初めての酸素呼吸をしない多細胞生物である。 地球上に存在する生命の活動メカニズムについての理解が根本からくつがえるわけではない。しかし、地球外生命の捜索にとっては、大きな含みを持つだろう大発見だという。 もともとは別個の生物だったミトコンドリア 14億5000万年以上前、生命は酸素を代謝する能力、すなわち呼吸を発達させ始めた。 きっかけは大きな古細菌が小さな細菌を飲み込んだことだ。どういうわけか、それが両者にとって都合のいい結果