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ブックマーク / honz.jp (3)

  • 周到に計算された「狂人国家」というブランディング戦略 『北朝鮮の核心』 - HONZ

    北朝鮮は、統計上はアフリカの小国ガーナに似ている。2010年の人口は北朝鮮が2,440万人に対してガーナが2,470万人。一人当たりGDPはそれぞれ1,800ドルと1,700ドル。しかし、国際社会から受ける注目度や、先進国から引き出してきた援助の額、政治的譲歩において、北朝鮮はガーナなど比べ物にならない大成功を収めてきた。この差はどこから来るのだろう。 書の序章には「驚異的な理性の国」というタイトルが付いている。もちろんそれは北朝鮮のことだ。活用できる資源もなく、経済は死に体、時代遅れのスターリン主義と君主制を貫き、核兵器を積極的に威嚇手段として用いるその様は、周辺国の人々から「理解不能な狂人国家」と思われている。ところがこの国の指導層は、自分たちが何をしているのか、実は完璧に分かっているのだ。 著者アンドレイ・ランコフは、ソ連に生まれ、留学生として平壌に住んだ経験もあり、現在は韓国の国

    周到に計算された「狂人国家」というブランディング戦略 『北朝鮮の核心』 - HONZ
  • 熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 - HONZ

    著者の岩田先生は、不思議なを書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニケーションなどを明快に論じると同時に、自らの知見、思い、そして生き方の根的な思想までもを、人に伝えようとする。つまりは「啓蒙的な」を書く人と言えるのだが、その思いが非常に強く、とにかく伝えたいことがいっぱいあるので、「啓蒙的」という枠を壊すようなパワーを持ったを次々と上梓しているのだ。 例えば、漫画家・石川雅之と組んだ『絵でわかる感染症 with もやしもん』などは、完全に専門的な内容なのに、イラストと文章で誰でも面白く、かつわかりやすく読めてしまうという不思議なだった。医学や看護学を学ぶ学生がコアな読者対象となろうが、版元は医学専門書の出版社から出されたわけではなく、講談社だ。あらゆる人に、徹底的に感染症を理解してもらいたいという、著者の熱い思いが感

    熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 - HONZ
  • 『世界はひとつの教室』

    世界中の人々に無料で質の高い教育を。そんな理想を掲げたNPOが存在する。その名はカーンアカデミー。グーグルやビル・ゲイツなどから支援を受け、2012年時点で利用者数は月間6000万人にも達している。You Tubeで一コマ10分ほどの講義を公開し、無料で行える練習問題、学校の先生などが生徒の進捗具合を確認できるフィードバックソフトなど様々な機能がすべて無料で提供されている。好きなときに好きな場所で、自分が納得いくまで勉強でき、そして何より自分から問題を解決しようという、能動的な教育方法が生まれつつあるのだ。そしてそれはインターネットというシステムを通じて急速に世界に拡散している。書はその仕掛け人サルマン・カーンの著作である。 カーンアカデミーの創設者、サルマン・カーンは、元々は教育者ではない。ではなぜ門外漢の彼が、革新的な教育システム生み出すことになったのであろう。それは、12歳のいとこ

    『世界はひとつの教室』
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