著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは……。 今回は、大学・短期大学で発生した3件のセキュリティー事故を取り上げる。大阪教育大学のフィッシング被害、岐阜大学の墨塗り処理のミスによる個人情報流出、東洋食品工業短期大学のランサムウエア被害である。 宅配業者を装うSMSのリンクから被害に 大阪教育大学は2021年5月24日、同大学教員のフィッシング被害による個人情報や複数の教員のIDとパスワードの漏洩を発表した。 教員には5月3日、宅配業者を名乗るSMSとしてフィッシングメールが届いた。教員は5月4日、荷物が届く予定があったことからSMS内のリンクにアクセスし、教員が個人で契約するクラウドサービスに関わるIDとパスワード、そして2段階認証のコードを入力した。その翌日、クラウドサービスのアカウントが停止されていたことでクラウド