マンガの世界には、雑誌には掲載されたものの、単行本に収録されることのなかった、いわゆる「封印作品」というものが存在する。ネットやコンビニ本などでも、差別表現や現実の事件トラブル、事実誤認、読者からのクレームなどでお蔵入りになったマンガがよく紹介されている。 ところが、そんななか、意外な封印作品の存在が明らかになった。その作品とは、さくらももこによるほのぼの日常系マンガ『ちびまる子ちゃん』(集英社)。「ええ! あの国民的マンガに封印作品なんてありえないでしょ!」とびっくりした方も多いだろう。だが、『消されたマンガ』(赤田祐一、ばるぼら/鉄人社)によると、「りぼん」(集英社)1995年2月号に掲載された「ちびまる子ちゃん」第98話が、単行本に収録されることなく、葬り去られているらしいのだ。 といっても、花輪君が貧乏人に差別発言をして問題になったとか、友蔵の扱いのひどさに「老人虐待だ!」とクレー