「私は梅干し職人ではないから」――経営ピンチの老舗、どう救った? ゾェルゲルさんは、ソニーやDysonのドイツ法人で財務分野のキャリアを積み、来日後にはドイツのIT大手T-Systemsの日本法人で副社長兼CFO(最高財務責任者)を務めた人物だ。2009年、妻がちん里う本店を継いだことをきっかけに、同社の経営に参画した。 「外資系企業を辞めてちん里う本店に入ったが、私は『梅干し職人』のタイプではないので、何をすればいいのかすごく悩みました」――ゾェルゲルさんは、こう振り返る。 その頃、ちん里う本店の経営が大きく傾いていた。漬物市場には陰りが見え、贈答品文化が薄れ始めており、主要な取引先の百貨店は縮小の一途(いっと)をたどっていた。「当社の顧客は高齢者が多いこともあり、このままいくと駄目になると思いました。会社のリニューアルが必要です。しかし、老舗であるが故に何を守り、何を変えればよいのかと

