新たな価値を創造するための働き方が模索されているが、同時に人材の採用や運用の見直しも行われている。大手企業でも注目されはじめたのが、「縁」を生かした採用戦略である。他社に転職した元社員を「出戻り社員」として受け入れる企業が増えている。 クラレは退職者へのアプローチを通じ、出戻り社員獲得に向けて今まさに動き出そうとしている。その背景には離職者の増加がある。かつては1割にとどまっていた入社10年時点の離職率が、ここ数年は「新たな環境で挑戦したい」などの理由から2割を超えるようになっていた。人事部長の石川智章氏は、研修など時間をかけ育てた社員が流出することに危機感を抱いていた。 一方で石川氏は、「もし戻れるならまたクラレで働きたい、力を発揮したい」と現社員との懇親の場などで話す退職者が多いことも耳にしていた。特に、ベンチャーや外資系に転ずる社員が多いため、石川氏は「クラレをよく知っている上に、全

