中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 先日、パントマイム・パフォーマーのカンジヤママイムさんにお逢いしたおりに、お聴きした「噺家さんとお客さんのインタラクション」の話が忘れられない。 ▼ 噺家さんたちは、演劇場には舞台の直前にしか入らない。演劇場の楽屋には、ネタ帳というのがある。ネタ帳には、その日の朝から今にいたるまで、それまでの噺家さんたちが演じた「演目」がリストされているのだという。 噺家さんたちは、膨大な「演目」をすでに暗記している。彼は、このネタ帳を見て、自分の膨大な演目を検査する。自分が、次に、何の噺をすればよいかを、この時点で決定するのだという。 面白いのは、噺家さんが、ネタ帳を見たときの反応である。 一瞥して、 「今日の客は、素人が多いか