Extended Validation 証明書 [1] (EV 証明書とも) とは、発行者による主体者の審査に一定の基準を設けた公開鍵証明書である。ウェブサイトの認証と暗号化処理に使われるSSL/TLS (以下、単にSSL) サーバー用の公開鍵証明書 (この場合、単にEV SSL証明書とも) のほか、電子メールやコード・サイニング用の公開鍵証明書がある。本記事では以下、SSL用の証明書を中心に記述している。 SSLの元来の考え方は、SSL証明書の取得時にウェブサイトの管理者が認証局 (CA) の審査を経なければならなくすることで、デジタル証明書によるオンライントランザクションに信頼を与えることであった。 しかし、ほとんどのWebブラウザのユーザインタフェースにおいては、安直な確認をした証明書と厳格な審査をした証明書とが区別されてこなかったため、混乱が生じることとなった。多くのWebブラウザ