東日本大震災を受け写真集「ATOKATA」を出した、写真家の篠山紀信さん=東京都港区赤坂(寺河内美奈撮影) ――新作写真集「ATOKATA」に《3・11を境に表現の在り方が変わった》と記されていますが、ほかに新たな試みは? 篠山 震災後に撮り始めたヌードがあるんですよ。秋に六本木(東京都港区)で展覧会をやって、今月発売のアサヒカメラ1月号にも載るんだけど、「before-after」というタイトルです。ちょっとお見せしますよ…こういうの。 《演劇のように場面を作り込んで撮影された2枚一組の作品群。それぞれのパートで、同一人物が別人のような表情を見せる》 篠山 普通に生活している女の子が、ある日突然、まったく違う環境に置かれてしまう。時間的なビフォー・アフター(前後)だけではなくて、裏と表とか、生と死とか、対極的な心模様、その変化みたいなものがテーマです。 ――これも震災から生まれ