武士道はシグルイなり 徳川忠長の命により行われた、常軌を逸した「真剣」による御前試合。命のやりとり必至の第一試合に現れたのは、方や左腕を失った隻腕剣士、方や盲目で、しかも右足先が大きく裂けた美剣士という、異常な取り合わせだった……。 七年の歳月を費やして描きつないだ残酷時代劇『シグルイ』がいよいよクライマックスを迎えた山口貴由さん。強化外骨格に身を包んだ主人公、葉隠覚悟の異形の敵との壮絶なバトルを描いた代表作『覚悟のススメ』はもちろん、『悟空道』『蛮勇引力』など、一貫して肉体の破壊と戦闘のエロスを追求し続けています。 その唯一無二の作風を、町山智浩さんは『葉隠』や三島由紀夫作品を引き合いに、鋭利に解剖。「町山さんはパンクのイメージがある」という山口さんとの、抜き身の対談が実現しました。 ■1.武士道はシグルイなり インタビュー冒頭、町山智浩さんから山口貴由さんへプレゼントされるのは三島由紀