日本で漁獲されるクロマグロの大物といったらどのくらいの重量のマグロを想像されるでしょうか? 日本では大型クロマグロの分類を30キロ以上としています。100キロもあれば大物と思われるのではないでしょうか。 ところが筆者が9月下旬にノルウェーの水揚げ現場で見てきたマグロは、小さくても168キロ、大きいものは396キロもありました。その時水揚げされた尾数は約160尾で平均は何と271キロ!
毎日のように「Amazon」の箱が、自宅に届くという人は少なくない。しかし、そのワンクリックの背後でどんなことが起きているのか。実際に目にしたことがある人は多くないだろう。今回、相模原市が開催したプレスツアーで、2022年10月に稼働したアマゾンの配送センターである相模原フルフィルメントセンター(FC)を取材することができた。 メインエントランスの前は、相模原駅、橋本駅行きのバス停がある。数千人とも言われる人が働くために設けられているのだろう。 アマゾンのFCに入るためには厳重なセキュリティチェックがあり、免許証などの身分証明証が必要になる。弊誌の6月号特集『暗黒大陸・物流 2024年問題に光を灯せ』の取材で、他社の物流倉庫などを取材したが、ここまで厳しいところはなかった。 塩分補給のタブレット メインエントランスを入って左手にある食堂の入り口には、塩分補給のタブレットが置いてあった。季節
欧米では、政府機関を中心にした中国製アプリの使用禁止の動きが激しい。その代表とされるのがTikTokである。 中国にデータが流出しているとの疑念から米国では、昨年12月に連邦政府職員が公務で使用する携帯電話でのTikTokの使用を禁じる「TikTok連邦政府デバイス利用禁止法」が成立している。2月23日には欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)、2月27日にはカナダ政府、3月16日に英国政府、3月17日にはニュージーランド議会が公務で使用する機器でのTikTokの使用を禁止している。 背景にある中華人民共和国国家情報法 米国政府はさらに、TikTokを中国以外の国の企業へ売却するように求めているようだ。その背景にあるのは、中国が2017年から施行している「中華人民共和国国家情報法」にある。 この法律は、第7条で「いかなる組織および個人も法に基づき国の情報活動に協力し、国の情報活
本連載ではこれまで、地方自治体や民間企業におけるナッジの実践事例を取り上げてきました。今回は一転して、3人の現役高校生が授業「課題研究」の中で取り組んだ、ナッジの実践事例を紹介します。課題研究とは、高校の学びの集大成として課題や研究方法の選定から検証までを生徒が主体的に行うことで、問題解決能力などさまざまな能力を養うための授業です。 広島大学附属高校3年生の堀井彩帆さん、花田彩芽さん、両見真純さんと、彼女たちの活動をサポートされた同校の阿部哲久先生にお話を伺いました。 佐々木先生 今年、別の高校の生徒さんから私のもとにメールがあって、「校内の課題解決にナッジを活用しようと思っているのでアドバイスが欲しい」という依頼を受けました。みなさんと同じように、身近な課題の解決にナッジを活用したいと考えている高校生は、全国にたくさんいるのかもしれません。 広島大学附属高校のみなさんは、どのような課題に
65歳以上の高齢者人口がピークを迎える2040年、就職氷河期世代の一部が高齢者になると、社会保障費が一気に膨らむ可能性が高い。就職氷河期世代には、非正規で働く人も多く、一定程度の年齢から正規雇用されても同世代に比べ収入が低いため、年金の受給額や貯蓄額が少ないためだ。だが、就職氷河期世代について正規雇用されている人たちの関心はあまりにも低い。まさに当事者である筆者はそう思うことがよくある。 就職氷河期世代とは内閣官房就職支援推進室によれば、1993年~2004年に高校や大学を卒業し、不安定な職に就いている人たち。その数は100万人近いとも言われている。 就職氷河期は日本の雇用の構造が生んだのではないか。そんな疑問を持ちながら、独立行政法人労働政策研究・研修機構労働政策研究所長の濱口桂一郎氏に、日本の雇用制度、就職氷河期は日本の雇用制度が生んだのか、就職氷河期の自己責任論などについて話を聞いた
働き方改革の中には高齢者の活用が入っている。5月15日には政府は「未来投資会議」で、70歳までの雇用確保を企業に求めている。けれども60歳、65歳、70歳になって希望するような職につくことができるのだろうか? 甚だ疑問だ。現実の一例として筆者の恥ずかしい体験の数々を読者だけにこっそりと教える。求職者、企業経営者、政策に携わる人々はそれぞれの立場でぜひ参考にしてもらいたい。 昨年の今頃私は大学生の息子とアルバイト合戦に興じていた。どちらが短時間で儲けることができるか? (別の表現では、額に汗水垂らさず儲ける)の勝負をしていた。 あああ、こんなはずではなかったのに… その1年半前まで私はあるプラント系の会社に請われてベネズエラにいた。熱海を思わせる景勝の、けれども犯罪が多発するようになった海辺の町で、中国企業と韓国企業のお目付け役をやっていた。ベネズエラのPDVSA(石油公社)の中のインハウス
北海道東川町は、「写真の町」として世界的にも知られるようになった。 「写真甲子園」がきっかけで、東川役場で働くことになった大阪出身の吉里さんは、 「予算がない、前例がない、他の町ではやってない」が行動目標と、町のために汗を流す。 <東川町>北海道のほぼ中央に位置し、大雪山国立公園の麓にある。大雪山の雪解け水の恵みを受け、道内で唯一上水道がない。主な産業として農業のほか、木工製品の生産も盛ん。 北海道の旭川空港から車で10分ほど走ったところにある東川町の役場には一風変わった名前の部署がある。「写真の町課」。1985年に当時の町長が町おこしの一環として「写真の町」を宣言。以来、写真を核とした様々なイベントを行ってきた。それを中心となって担っているのがユニークな名前の課というわけだ。 写真の町課は役場の本庁舎の裏手にある文化ギャラリーの一角にある。人懐っこい笑顔で迎えてくれたのは職員の吉里演子さ
「米、トランス脂肪酸禁止」「トランス脂肪酸を含む食品添加物の3年以内の全廃を通達」……。こんなふうに大手メディアに報道された後、さっそくネットメディアでは「マーガリン、マヨネーズは使わない!」「ワースト5の食品は……」などの情報があふれ始めました。 メディアは「○○は危ない」というコンテンツを流したがります。それは、やっぱりそんな情報が耳目を集めるから。ネットメディアはとりわけそう。アクセス数が稼げますもん。そんなわけで今、心配した人たちからの問い合わせや苦情が、食品企業に相次いでいるそうです。 でも、報道には間違いが目立ちます。そもそも、トランス脂肪酸は食品添加物ではありません。それに、トランス脂肪酸対策は、単純思考ではダメ。この話、けっこう複雑です。 私は2012年に本欄で、「科学無視のトランス脂肪酸批判 思わぬ弊害が表面化」という記事を書きました。アメリカでは“危険”でも、日本の状況
島田紳助氏は10数年前、テレビでの発言を右翼に咎められ、テレビ局に街宣車を集中される攻撃を受けた。耳をふさいで知らぬ振りはできない。大音量の糾弾は現に局の業務を妨げている。営業妨害として警察に取締りを要請すれば、右翼の神経をさらに逆なでするようで、怖い。 紳助氏はこのとき、芸能界から引退しようかとまで思い悩んだという。たまたま元ボクシング世界チャンピオン、渡辺二郎氏(07年に恐喝未遂で起訴、上告中)が山口組系の有力組織である山健組系(当時)極心連合会の橋本弘文会長を紹介し、橋本会長が右翼と交渉して攻撃は止んだ。これにより紳助氏は橋本会長に深く感謝し、以後、心服するようになった――。 相場1000万円以上の礼金が 無料だった理由 紳助氏と橋本会長を結んだきっかけは右翼の攻撃だったようだが、現在、右翼の大半は暴力団系である。暴力団が右翼を別働隊として使うことはもちろん可能だし、現に暴力団がこう
2005~06年ごろ、「狂った油」、「食べるプラスチック」などと週刊誌などで大げさに書き立てられた物質があったこと、覚えていますか? 脂質に含まれる脂肪酸の一種、「トランス脂肪酸」です。トランス脂肪酸は、多く食べると狭心症や心筋梗塞など冠動脈疾患のリスクが高まるとされ、海外では食品中に含まれる量の上限値を決めている国があります。一方で、日本では「摂取量が海外ほど多くないとみられる」などとして規制が行われず、市民団体や一部の週刊誌などが強く批判していました。 そして、福島みずほ・社民党党首が2009年9月、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画)に就任してすぐ、「食品中の含有量の表示義務化」へ向けた検討を消費者庁に指示したのです。市民団体の一部はやんやの喝采でした。 別の健康リスクも さて、その実態はどうだったのか? 本当にリスクは高いのか? 科学的にリスクを検討す
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