東海地区限定で増刷販売された『蕎麦ときしめん』(清水義範)は累計23万部のロングセラー。僭越ながら筆者・大竹が帯の推薦コメントを書かせていただいた清水義範氏の『蕎麦ときしめん』という小説をご存知でしょうか? 名古屋に転勤した人物が書いた論文、という形をとって、名古屋がいかに奇天烈な街であるかをコミカルかつシニカルに紹介した短編です。1986年に刊行されるや大いに話題となり、その後何度もくり返される名古屋本ブームの火付け役にもなりました。 そんな元祖・名古屋本ともいうべき怪作が、このほど愛知・岐阜・三重の東海3県限定で増刷販売されることとなりました。なぜ初版から30年以上もたっている今、この作品に再び光が当たることになったのでしょうか? 「実は名古屋市内の書店さんからの働きかけがきっかけのひとつです」というのは発行元の講談社・担当者。いくつかの大手書店が積極的に店頭展開するという提案もあり、