「プロジェクトとしては不十分」。あるデバイス開発の国家プロジェクトを指して,その業界の第一人者である大学教授が憤慨していました。予算額のことかと思いきや,プロジェクトの期間が中途半端に短いというのです。そのプロジェクトは3年の設定であり,手続きなどの関係から,実質的には2年強しかありません。「少なくとも5年以上でないと目立った成果は出ない。海外では同じテーマで10年かける」ということです。しかも,そのプロジェクトには具体的な事業化計画を持たない企業は参加できません。本来は長期的視野に立つべき国家プロジェクトが,短期的な成果を求めて安易な方向に向かっているというわけです。 確かに「戦略」というからには,ある一定以上の時間がかかることは想像できます。半導体企業でも,例えばNECが「半導体世界一」を誇っていた当時は,関本忠弘氏が社長を1980年から1994年まで14年間務めました。欧州の伊仏ST