旧江戸城の外堀で採取した水から、東京都では明治29年(1896年)以来128年ぶりに緑藻の「ボルボックス」が見つかった。ボルボックスは「緑の宝石」の異名を取るユニークな植物プランクトン。発見した法政大学自然科学センター・法学部の植木紀子教授(細胞生理学)は「長い間、謎に包まれていた東京産ボルボックスが非常に身近な場所に生息していることがわかり、今後も継続して調査を続けたい」と話している。 単離したボルボックスの光学顕微鏡写真(法政大学植木教授提供) ボルボックスは和名をオオヒゲマワリといい、その名の通り、ヒゲのような繊毛を動かしてつくった水流で回るように泳ぐ。淡水に生息し、ゴマ粒よりちょっと小さいくらいの大きさだ。冬の間は卵と精子が受精し、殻に覆われた接合子をつくり乾燥や低温に耐えることができ、春に適切な環境条件になると減数分裂を経て無性生殖で増えるようになる。 無性生殖で増えるボルボック
