敷金、礼金がかからない「ゼロゼロ物件」の退去時のトラブルをめぐり、元居住者が9日、不動産会社「スマイルサービス」(東京都新宿区)の元代表者ら2人について不動産侵奪や住居侵入などの容疑で東京地検に告訴状を提出した。元居住者側の弁護団によると、不動産会社側に対する刑事告訴は初めて。 弁護団は「家賃の支払いが数日遅れただけで一方的に鍵を交換し、居住者の所有物を無断で撤去処分している。相手の困窮や無知につけ込んだ犯罪行為だ」としている。 この日は、元居住者ら4人が同社側に計約2300万円を求めて提訴した第2次訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁(原優裁判長)で開かれた。同社側は請求の棄却を求め、争う姿勢を示した。 原告で元居住者の父親は「息子が借りていた部屋に置いていた亡き父の写真や遺産管理していた土地の権利書など、お金に換えられない物が奪われたことは許せない」と意見陳述した。