「三角公園」に設置されている街頭テレビ=大阪市西成区、新井義顕撮影阪神―巨人戦に見入る労働者たち。西成署による賭博取り締まりの影響で3年間、テレビの箱が閉ざされたままだったが、久しぶりに解錠された=1979年5月25日付朝日新聞大阪版 多くの日雇い労働者が暮らす大阪市西成区のあいりん地区(釜ケ崎)で、長年親しまれてきた街頭テレビが、その役割を終えようとしている。7月の地上デジタル放送への移行を控え、チューナー取り付けなどの費用が工面できないためだ。半世紀近く、街のど真ん中で時代を映し出してきた娯楽は、消えてしまうのか――。 ◇ あいりん地区の中心部にある萩之茶屋南公園(通称・三角公園)。高さ2.1メートルの鉄製支柱の上に、観音開きの鉄箱に納まった29インチのブラウン管テレビが鎮座する。平日は午後5時、西成署員が南京錠を外して電源を入れ、同11時に消しに来る。週末は午前9時〜午