リオ五輪での日本選手の活躍以来、それまでとは比べものにならないほど卓球がテレビに取り上げられるようになった。ワイドショーやスポーツニュースでは試合結果のみならず、技術的な解説がされることもある。 中でもサービスは、選手ごとに特徴があるし、進化の激しい技術でもあるため、たびたび詳しい解説がなされる。そこでは、ボールが激しく曲がる様子がスローモーションで映し出され、その軌道の変化に相手が対応できずにミスをしたと解説されるのが常だ。しかし、実はこれが全然違うのだ。確かに曲がることのやりづらさは多少はあるが、それらは直接得点につながるものではない。曲がるサービスの威力は、まったく別のところにある。 それを説明するためには、そもそも卓球における回転の威力とは何かということから始めなければならない。意外に思われるかもしれないが、卓球の回転の威力は軌道が曲がることではない。卓球以外のほとんどの球技が軌道