タイ国内のかなりの地域が冠水している。3月には、日本の沿岸部が過去1000年間で最悪の破壊的な津波に襲われた。両国の災害は何をおいても、人類の悲劇だ。タイでは既に、少なくとも366人が亡くなった。日本では、死者・行方不明者が約2万人に上っている。 だが、こうした大災害は人の命のはかなさとともに、もっと散文的なものも明らかにした。グローバルなサプライチェーン(供給網)の脆さと驚くほどの複雑さだ。 今週、マツダとトヨタ自動車、東芝が浸水したタイ工場の生産停止を延長し、同じ状況にある国際企業(大半が日本企業)の長いリストに加わった。ホンダでは、世界生産台数の5%に当たる年間25万台近い車を生産しているタイの組立工場が、10月4日以来、閉鎖されている。 混乱は単純な組み立て作業を大きく超えて広がっている。異様に複雑なアジアのサプライチェーンは、最終的に店頭に並ぶまでに原材料が何度も国境を越えること
最初に告知です。 この連載をまとめた単行本が出ます。 『地雷を踏む勇気』(技術評論社、1554円)です。書店の店頭に並ぶのは11月の1日頃、amazonでは既に予約を受け付けています。 なお、11月17日には、同じく当連載から別の原稿をピックアップした単行本が発刊されます。『その「正義」があぶない。』(日経BP社、1575円)です。こちらもamazonにて予約受け付け中です。よろしくお願いします。 *** この夏以降、政府機関や軍需産業に対して仕掛けられたサイバー攻撃が次々と発覚している。 報道によれば、被害は国家の中枢に及んでいる。衆議院議員の一人が、7月末、届いたメールの添付ファイルを開いたことで「トロイの木馬」と呼ばれるタイプのウイルスに感染して、以来、衆議院のネットワークは中国内のサーバーからパスワードなどが盗み出せる状態になっていたのだそうだ。盗まれた可能性のあるIDとパスワード
7月に80歳で亡くなったSF作家、小松左京さんが、社会現象となった1973年の代表作「日本沈没」用に書いたと見られる創作メモが見つかった。 地殻変動で日本列島が水没するという小説「日本沈没」は、オイルショック後の社会に衝撃を与えた400万部のベストセラー。小松さんの死後、大阪府内の自宅に、原稿用紙などに走り書きした日本列島や地殻の図などの創作メモが残されているのが分かった。 沈没を事前に予見した科学者・田所博士と政界の黒幕・渡老人が、国土を失った日本人の試練を語りあうエピローグの名場面の草稿6ページ分もあった。関西で育った仏教的観念と関東の武家政権のリアリズムの対比で日本人の精神史を考察するなど、完成稿とは異なる。そうした思索を経て、日本の風土への愛情を告白し民族の成長を促す発表原稿へと至ったことがうかがえる。
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