ネットに揺蕩う情報など、全てがあやふやな噂話の集積であり、その場その場では話の種になりつつも、夜店で売られるサイリウムの腕輪のごとく、一夜明ければ途端に色褪せ、皆が忘れ去る程度のものに過ぎない。 その時々で適当な嘘やユーモアやジョークを吐き、衆目を集めるのはなかなかに楽しい。だが、そうやって、はしゃいでいるとやがて自意識の皮を被った狼が襲来し、まともだった少年の精神をペロリとたいらげてしまう。 かくして熱狂と虚名と空転する自意識が交錯する、現代のインターネットでは、今日もどこかで大学生が未成年飲酒を告白しては炎上し、あるいは企業のステルスマーケティングでたわいもない動画が何十万と再生され、話題に釣られ集まった大衆は一通りはしゃぎ、骨までしゃぶりつくした後には、また次の催しを求め去っていく。そのような地獄のステージで延々と踊り続けるためには、よほどの自己陶酔か自己顕示欲を必要とするのだが、そ