車窓から真下の道路が見える。まるで宙を飛んでいるようだ。いつもの鉄道からの風景に見慣れた人はびっくりするに違いない。 湘南モノレールは大船―湘南江の島間の8駅、6.6キロメートルを14分で結んでいる。江の島観光に便利な路線であり、沿線住民向けの生活路線でもある。商店街や住宅のすぐ脇をモノレールが走り抜ける様子は未来都市のようだ。だが、そばを歩いている人は見向きもしない。地元の人にとっては、もはや日常の風景となっている。 そんな湘南モノレールの株式が、交通事業を支援する「みちのりホールディングス(HD)」に売却されると、5月22日に発表された。みちのりHDは、冨山和彦氏が率いるコンサルティング会社、経営共創基盤の100%子会社。地域交通の活性化を目指し、福島交通、岩手県北バス、関東自動車などの交通事業者を傘下に抱えている。 なぜ売りに出されたのか 「利用者数が伸び悩んでいる」――。売却の理由
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