国の地震調査研究推進本部が、宮城県沖から福島県沖まで連動する巨大地震を、長期評価の対象に追加し、今月公表する方針だったことが分かった。 大津波を伴う約1150年前の巨大地震の全体像が最近明らかになってきたためで、同本部は宮城県には2月に事前説明を終え、福島県にも3月中に説明する予定だった。公表を目前に東日本大震災が起きたことに対し、専門家からは「想定されていたより大きい地震が発生する可能性を、事前に伝えておければ……」と悔やむ声も出ている。 同本部では2005〜09年度、宮城県沖で起きる地震を重点調査。古文書の記録で知られていた869年の貞観地震は宮城県―福島県沖の長さ200キロ、幅100キロの断層がずれたマグニチュード(M)8クラスとみられ、津波により宮城―福島県沿岸部の内陸3〜4キロまで浸水していたことを地質調査やコンピューターの想定実験で明らかにした。東日本大震災の浸水域は最大5キロ