6月半ば、韓国に出張しサムスン電子を取材する機会に恵まれた。日本サムスンの好意を得て、3日間で半導体部門、液晶パネル部門、携帯端末部門などを回ることができた。 帰国後、急いでまとめたのが「日経ビジネス」6月27日号の「快進撃止まり、正念場」の記事である。そのタイトル通り、サムスン電子は今、業績悪化に苦しんでいる。 昨年までの威勢はどこへ… 筆者にとって韓国でのサムスン電子取材は昨年3月に続き2回目だった。昨年は同社の業績は絶好調で、2010年1~3月期の連結営業利益は4兆4100億ウォン(約3307億5000万円)と、過去最高を達成。現地で会った「サムスンマン」たちは皆、自信をみなぎらせていた。 それから1年余り。2011年1~3月期の連結営業利益は、前年同期比33%減の2兆9500億ウォン(約2212億5000万円)にとどまった。4~6月期の連結営業利益も前年同期比26%減の3兆7000
東日本大震災が起きた直後、中国で食塩が売り切れる事態が起きた。食塩中に含まれるヨウ素を摂取すれば放射性物資が体内に入り込むのを防げるというデマが広がったためだ。 この記事を読んだ私は嫌悪感に襲われた。隣の国で多くの人が死んでいるのに不謹慎だと。放射性物質が漏れても、風向きを考えれば中国の被害は少ない。そもそも中国からの汚染物質でいつも迷惑しているのは風下側の日本だぞ…。頭の中で次から次へと悪口がわき上がった。 頭に血が上った私は知人の中国人に不満をぶちまけた。「こんなバカげたデマが広がるなんて中国の教育レベルは低い」とまで言った。相手は反論することなく自嘲気味に答えた。「中国では政府が『安全』と言う時は本当に危険で、逆に『危険』と言う時は安全だと人々は考えてしまうんですよ」と。 当時、日本発の放射能汚染は自国にまで及んでいないと中国国営メディアが連日報道していた。人民の不安を和らげるための
前回コラム「『大陸と台湾』はOK、でも『中国と台湾』はノー」では、筆者が拠点を置く中国大陸において、「台湾」を扱うことがいかに困難なことか、具体的なエピソードを交えてお伝えした。 読者の皆さんもご存じの通り、中国と台湾は、現在に至るまで事実上の分離状態にある。多くの「中国人」が懇願する「祖国統一」はいまだ達成されていない。 筆者は、日ごろ北京で暮らしている。6月中旬に生まれて初めて台湾を訪れた。滞在中に、「中国」をどう見るかというテーマをめぐって、各界の有識者や学生たちと徹底議論した。 第三者という立場にある“特権”を行使して言わせていただきたい。「中国人」と「台湾人」の間に存在する心の距離は、筆者が想像していた以上に遠い。心の溝はとっても深い。中国大陸の人たちは台湾の人たちが自らを「中国人」ではなく「台湾人」だと認識している現状が気に食わないようだ。 「中国人」が、両者の関係を「私たちは
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