個人的名所が多すぎるココロ社です。 有名ではないが、個人的に名所と感じられる場所がある。たとえば歴史的には特に重要でもないお地蔵さんの造形を愛でたり、赤の他人の家のまわりに置いてある鉢植えに四季の移ろいを感じたり……など、誰もがしていると思う。名所の数はその人の生きた時間に比例して増えていくが、今回は、「誰も中華街だとは思っていないが、個人的には横浜や神戸に匹敵するほど重要だった中華街」の話をしたい。 道玄坂の上に勝手に中華街を見出していた 00年代の後半の話だが、ごく個人的かつごく小規模な中華街が渋谷にあった。当時の写真を載せようとして漁ってみたら、レコード屋の写真が出てきた。撤退直前のシスコである。 あのころ、ほとんど毎週渋谷に行き、レコードを買ったあと個人的中華街に寄ってから帰宅していたことを思い出した。ごはんに夢中でレコードを忘れて帰ったことも一度や二度ではない。今はサブスクリプシ