◇ニッポンの不思議次々と ◇肝心なこと語らない保安院、東電 会見は「官僚主義の弊害」 東日本大震災直後から世界を駆け巡る東京電力福島第1原発事故のニュース。日本に駐在する外国人特派員たちは、この事態を海外にどう伝えているのか。経済産業省原子力安全・保安院が定期的に開いている海外メディア向けの会見をのぞいてみた。【井田純】 原子力安全・保安院は週に数回、首相官邸や各省庁、東電などと共同で外国人記者向けの会見を催す。1日、会場のフォーリンプレスセンター(東京都千代田区)に出かけると、開始間近なのに記者席は無人。この日は菅直人内閣への不信任決議案提出当日。特派員も政局取材優先か……と考えていると、1人、2人と記者が姿を見せ、定刻に会見が始まった。 壇上には7人。内閣副広報官を筆頭に、保安院からは西山英彦審議官、さらに原子力安全委、水産庁、厚生労働省、外務省それぞれの担当官と通訳が1人という内訳だ
菅直人首相は少なくとも一時的に、日本の原子力利用をこれ以上拡大する計画を見送った〔PHOTO〕gettyimages <鹿島発>島根原発が40年以上前にこの地に計画されたとき、この田舎の港町は激しく抵抗し、原発を経営する予定であった中国電力は、ほとんどその事業計画を廃棄するところだった。怒った漁民は、何世代にもわたって魚と海藻を漁獲してきた場所を守ると誓った。 20年後、中国電力が三番目の原子炉の設置、拡張を検討したとき、鹿島は再び素早い行動に出た。今度は賛成で結集したのだ。地元の漁協に促され、町議会は賛成15、反対2で、40億ドル(3千200億円)の原子炉を建設するよう公にアピールを出すことにした。 鹿島町のような逆転は日本ではよく起こる話で、これは、現在までの日本の揺るぎない原子力の追求と、54の原子炉がある周辺の町に広範な草の根反対運動が存在しないことの説明に役立つ。3月11日、地震
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