九州電力が14日公表した「やらせメール」問題に関する報告書は、九電が組織ぐるみで世論を操作していた実態を明らかにした。同社では以前から原発関係の説明会などで社員らを大量動員するなど「やらせ的手法」をとっていた可能性もある。同様の手法は他の電力会社にも共通しているとの指摘もあり、原子力行政が電力会社によって恣意(しい)的にゆがめられていた疑いが浮かんだ。【井上俊樹、斎藤良太、阿部周一】 「会社名や肩書が使われ複数の名前が出ている。『組織的ではない』と否定はできない」。14日夕、九電本社であった会見で、眞部利應(まなべとしお)社長はそう認めるしかなかった。 報告書によると、原発部門のトップとナンバー2に当たる当時の原子力担当副社長、取締役原子力発電本部長に、佐賀支店長を加えた計3人の会合が発端となり、国主催の説明番組での「やらせ」が決まった。3人の意を受けた部下らはメールだけでなく、取引会社を