東京大学工学部原子力工学科--。半世紀前に産声をあげたこの学科は、日本の原子力発電の拡大とともに歩み、今も同学部システム創成学科環境・エネルギーシステムコースとして歴史を刻んでいる。福島第1原発事故後、1期生たちの胸には何が去来しているのだろうか。訪ねてみた。【宍戸護、顔写真も】 ◇「人を幸せにすると思っていた原子力が人を不幸にしている。むなしい」--東大名誉教授・山脇道夫さん ◇「しばらく原子力は必要。情報をきちんと出し正しく評価することが大事」--IAEA元職員・小西俊雄さん ◇「放射線防護学専攻し怖さ実感。やはり原子力と人間は共存できない」--立命館大名誉教授・安斎育郎さん 白髪交じりの70歳前後の男性7人が掘りごたつ風のテーブルを囲んだ。4月15日夜、東京・新橋の居酒屋で開かれた東大工学部原子力工学科1期生の同期会。誰とはなしに福島第1原発事故の話になった。東大名誉教授の山脇道夫さ