東大の助教を辞め、5年任期の教員に…シジュウカラにすべてを捧げる「小鳥博士」の壮大すぎる野望 「僕は、シジュウカラという動物を世界で一番見てるんで」 この時、「もっと鳴き声の種類を調べてみよう」と考えた鈴木は、ひまわりの種をほかの場所に蒔まいてみた。ほかの草木に紛れて、シジュウカラはなかなか気づかない。1時間待ち、2時間が過ぎた。それでもじっと待っていたら、1羽のシジュウカラが飛んできて「ヂヂヂヂッ」と鳴いた。すると、次々にシジュウカラが集まってきた。 鳥の図鑑には、シジュウカラの「ヂヂヂヂッ」という鳴き声は「警戒を表す」と書かれていたが、仲良くひまわりの種を啄ついばんでいる様子を見て、「そんなわけない」と思った。そして、「これは仲間を呼ぶ声に違いない。図鑑を正そう」と決めて、卒業論文のテーマに据える。 「どうやって証明したらいいんだろうと考えました。それで、ヂヂヂヂッという声を録音して聞