1914年に第一次世界大戦が勃発して、この夏でちょうど100年を迎える。一般的にその開戦日は、オーストリア・ハンガリー帝国(以下、オーストリアと略)がセルビアに宣戦布告した、きょう7月28日とされることが多い。 両国の開戦のきっかけは、前月28日に、オーストリアの皇太子夫妻がボスニアのサラエボ(現ボスニア・ヘルツェゴビナの首都)で、セルビアに拠点を置く暗殺者グループに殺された事件だ(サラエボ事件)。7月24日にオーストリアが突きつけた最後通告に対し、セルビアはほとんどの要求を受け入れ、事件について一定の責任を認めた。だがオーストリアはこの回答を受け取るとその場で国交を断絶、宣戦布告するにいたったのである。 こうして始まった戦争は二国間にとどまらなかった。オーストリアの同盟国だったドイツや、この2カ国とバルカン半島で勢力争いをしていたロシア、さらにはフランス、イギリスと列強各国がそれぞれの理