9人が死亡したグループホーム「楽ん楽ん」の内部。水位を示すあとが天井近くまで達している=岩手県岩泉町で2016年9月1日午後0時51分、望月亮一撮影 大型の台風10号で大きな被害を受けた岩手県岩泉町が、防災情報などを伝えるため電源を必要とするIP電話を町内の全世帯や全ての福祉施設などに導入した際、予備電源の配布など停電時の対策を取っていなかったことが分かった。停電時に利用できないことは把握していたが費用負担の増大などを懸念し、予備電源の配布を見送った。携帯電話を使わない高齢者などに災害情報を伝える手段となることが期待される一方、過去には大雪による停電で利用できなくなり安否確認が難航した事例もあり、情報伝達の課題が改めて浮かんだ。 総務省は、東日本大震災を受けた災害対策として、インターネット回線を利用するIP電話を設置する自治体に補助金を交付。町によると、総務省から約7億6000万円の補助金