サントリー美術館の琉球王国展に行ってきた。サントリー美術館は琉球の染織を多く所蔵しており,過去に何度も琉球関連の展覧会を開いていて縁が深いとのことである。私自身は琉球は全く門外漢なので,新鮮な気持ちで見に行った。 今回の展示は染織(いわゆる紅型を含む)だけではなく,琉球の美術(絵画作品)や漆器の展示が豊富であったのが,非常に良かった。琉球の美術は基本的に中国の影響が強い。留学先というとまず福州であったようで,ほとんどの画家が琉球名と中国名を持っている。たとえば「座間味庸昌」であれば中国名は「殷元良」。レベルはさすがに高いというものではないが,よく模しているとは思う。言われなければ中国人や日本人の画家が描いたものと区別がつかないだろう。おもしろかったのは,そうして中国の絵画を模して成長したので,琉球人が雪中の花鳥図も描いているということである。おそらく御本人は雪を見たことがないか,朝貢使節の