2020年08月16日 中国の影響力工作という深刻な問題 「影響力工作」あるいは「誘導工作」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ここ数年、安全保障や外交に関連した国際会議に参加すると、必ずと言ってよいほど中国による「影響力工作」についてのディスカッションとなります。英語では、「インフルエンス・オペレーション」となり、まだ定訳もなく、日本のメディアで扱う機会もそれほど多くはありません。というのも、水面下での活動ですし、情報公開ももっともなされない領域ですので、これについて深く知る機会が限られています。 この「インフルエンス・オペーレーション」を体系的に扱ったおそらく最初の一般書が、読売新聞の飯塚恵子さんが書いた、『誘導工作 ー情報操作の巧妙な罠』(中公新書ラクレ、2019年)ではないでしょうか。実態がよく分からないので、なかなか研究対象として深く知ることは難しいと思いますが、この著作は