米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(左)と、ドリュー・ワイスマン教授=いずれも東京都千代田区で2022年4月、内藤絵美撮影 今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者は2日、生き物の遺伝子の一部「メッセンジャー(m)RNA」を使ったワクチンの新時代の基礎を築いたカタリン・カリコ米ペンシルベニア大特任教授(68)らに決まった。共産主義体制の東欧ハンガリーから米国に渡った研究者で、その研究人生は平たんではなかった。 ハンガリーの田舎町育ち カリコさんは1955年にハンガリーで生まれ、「科学者など見たこともない」という田舎町で育った。ハンガリーの名門大学で生化学の博士号を取得し、研究者として歩み始めた直後に最初の転機が訪れた。 経済の行き詰まりなどから海外の学会に出席することが認められず、研究資金も途絶えた。既に結婚して長女がいたカリコさんは、30歳で米国に研究拠点を移す決断をする。
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