プロジェクトにゴーサインを出したのは古河建純社長だった。しびれを切らした伊藤さんは2003年6月末、仲間と共に社長に直訴したのだ。社長はブログの魅力を理解し、7月中旬の会議で開設を決めた。同年12月2日、ブログサービス「ココログ」がオープン。ISPが運営するブログの先駆けとして人気を集め、ブログブームの火付け役になった。 ココログの成功の陰で伊藤さんは、大企業の動きの鈍さにいらだっていた。「パワポを30枚書いて社長動かすよりも、ネットで文章を書くほうが影響力が大きかった」――「NDO:Weblog」では、社内では誰も聞く耳を持たなかったブログの話に何万人もが共感してくれた。 ブログを通じてたくさんの人と知り合った。自分と同年代でも、驚くほど優秀な人がいた。ネットビジネスやWebプログラミングの知識が、自分には足りないと気付いた。本を読み漁り、学んだ成果をネットに吐きだした。 当時は毎日ほと