昨春、病院勤務から訪問看護に移った友人がもう転職を考えているという。 ステーションが二十四時間体制をとっているため、月に五、六回オンコール当番が回ってくる。それが苦痛でたまらないらしい。 「いつ呼ばれるかわからないと思ったら、気が休まらない」 「お酒も飲めないし、遠出もできない。休日が休日にならない」 とこぼすのを聞きながら、そうだろうなあと頷く。 私は看護学生時代、高齢者施設で介護士として夜勤のアルバイトをしていた。 二十時から翌朝八時までスタッフは私一人。入所者が転倒したり体調に異変があったりすると当番の看護師に連絡して対応を確認しなくてはならないのだが、露骨に不機嫌な声を出された。痰の吸引のために夜中に来てもらうこともあったが、そりゃあ嫌みを言われたものだ。 「そんなに不服なら、オンコールのないところで働いたらどうです?」 が喉まで出たっけ。 家でくつろいでいるときに職場から電話がか