■要旨 政府は4月の消費増税の影響で個人消費が回復しない状況を鑑み、消費増税10%への引き上げを延期する方向で調整に入った。安倍政権発足以降の状況を振り返ると、当初は金融政策の効果もあり、日本経済は活性化した。企業業績の改善や株高の恩恵を受けた富裕層が牽引し、消費者の景況感は好転し、「期待先行型」の消費となっていた。 しかし、昨夏からの物価上昇、さらに今年4月の消費増税が拍車をかけたことで、実質所得は減少し、消費者の景況感は政権発足前の水準に低下している。政権発足以降、間もなく2年を迎えるが、結局、家計収支の状況はどうなっているのだろうか。また、消費者全体の景況感が好転していた時期も、雇用環境の不安定さ、また企業業績の改善・所得増の遅れ等を背景に、消費者の状況には二極化の傾向が見られた。高年齢層に比べ若年層で、都市部に比べ地方部で、景況感は低水準にあった。現在、これらの状況はどうなっている