サブタイトルは古生物学史挿話で、16世紀から19世紀にかけての古生物学史 作者は、もともと地質学・古生物学の研究者であったが、のちに科学史家となった。 日本語訳は2013年に刊行されたものだが、原著は1972年と40年以上前に刊行された本である*1。 とはいえ、自分の不勉強もあるだろうが、古生物学史というのはあまりよく知られていないものと思うので、勉強になった。 キリスト教的なバイアスのかかった考え方が、何人かの大科学者によって刷新されていったという歴史をつい思い描きがちであるが、それが誤りであることを教えてくれる。 キュビエは、キリスト教的価値観から進化論に反対していたわけではないし、ライエルの斉一説(この言葉については普通の理解が実は正確ではないことが書かれているのだが)はすでに当時に一般的になっていたのであるし、ダーウィンへの反対者も進化という考えに反対していたわけではなかった、とい