朝から母の家の居間で原稿書き。 最初に『ブルータス』の「吉本隆明特集」へのアンケート回答。 「最初に読んだ吉本隆明の本は何ですか?」というようなアンケートである。 私が最初に読んだのは『自立の思想的拠点』で、1967 年、高校二年生のときのことである。 その頃、私のまわりには吉本隆明を読んでいる人はまだそれほど多くなかった。 70 年に大学に入った時点でも、決して多くはなかった。 私は全共闘の諸君は全員吉本隆明の愛読者だと思っていたので、「誰、それ?」というリアクションに仰天した覚えがある。 大学に入って最初に「吉本っていいよね」という私の言葉にそっと頷いてくれた相手は意外にも民青の活動家だったウエムラくんであった。もちろんそのようなカミングアウトは彼の党派的立場からはありえないことだったのだけれど。 時代が経つと、「1968 年には日本中の大学生たちはみな吉本隆明を熱狂的に読んでいた」と