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2010年5月22日のブックマーク (2件)

  • 豊臣秀吉の幻想 - 内田樹の研究室

    続いて大学院のゼミ。 日のお題は「韓国と日」。 日韓問題はたいへんむずかしい問題である。 あらゆるむずかしい問題がそうであるように、この問題がたいへんにむずかしいものであるのは「日韓問題については、最適解があり、私はそれを知っている」と主張する人たちが複数いて、かつ彼らのあいだで合意形成ができていないからである。 通常、このような場合には「それらはどれも『最適解』ではない」と判断する方が生産的である。 そうすると問題の次数を一つ上げることができるからである。 「なぜ、日韓問題については当事者全員が合意できる『最適解』が存在しないのか?」 この問いについてなら、とりあえず対立している立場のあいだでも冷静に意見交換できる可能性がある(「可能性がある」だけで、もちろん「やってみたらやっぱり泥仕合」という可能性もあるが)。 まあ、やらないよりはまし・・・くらいの期待度で、その「なぜ?」について

  • 父親のかなしみ - 内田樹の研究室

    小学館の取材で「家族」についてお話しをする。 もう何度も書いていることだが、親族制度というのは言語や経済活動と同じだけ古く、それを営むことができるという事実が人間の人間性を基礎づけている。 と書くと「ああ、そうですか」と退屈そうなリアクションをする人がいそうだが、人間とサルを分岐するのがその点であるということは、見方を逆にすれば「およそ人間であれば、誰でもできる」ということを意味している。 そこのところを当今の家族論は見落としているのではないか。 家族について論じている言説に触れて、つねに感じることは「そんなむずかしいことが『ふつうの人間』にできるわけないでしょ」ということである。 かつて「アダルト・チルドレン」という言葉がはやったことがあった(死語になってくれたようでうれしい)。 機能不全な家族で育った子どもがその後社会的能力が劣化する現象をいうのだが、そのとき列挙されていた機能不全家族