大手企業の経営者にインタビューしていて、話がCIO(最高情報責任者)の役割に及んだ時、その経営者から「CIOが機能している日本企業はあるのか」と逆質問されたことがある。一瞬、虚を衝かれた私が質問の真意をただすと、「CIOは役員である以上、日常的に経営に関与しなければならない。しかし、そのような役割は見つからない」との答えが返ってきた。 暴論のようだが、実はかなり怖い指摘である。例えばCFO(最高財務責任者)なら日常的な資金調達に責任を負っている。資金調達はまさに経営の根幹であり、戦略的な取り組みが必要になるから、CFOは経営機能にふさわしい。一方でCIOの場合、システムの運営に責任を負っているだけなら、それを持って経営への日常的な関与と言うには確かに無理がある。CIOが明確に必要なケースとして、この経営者が挙げたのは、企業が業務改革を迫られ、その推進役をCIOが務める場合のみだった。 そう
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