年末のテレビなどを通して、近年大きな災害に見舞われた被災地の方々が「当たり前の日常を取り戻したい」と祈りを込める健気な姿を見かけます。心身ともに疲弊し切って限界ぎりぎり。何とか平常心を保っている被災者を「食い物」にする輩は残念ながら、いまだに後を絶たないのが現状です。(露木行政書士事務所代表 露木幸彦、名前はすべて仮名) ● 熊本地震で被災 軽度の脳梗塞に 昨年の大みそかはどのように過ごされましたか?私が除夜の鐘の音とともに思い出したのは、今回の相談者である谷美鈴さん(32歳、会社員)の存在。美鈴さんは約2年前の熊本地震の被災者で、地震発生時、亡き両親が残してくれた戸建て住宅に1人で暮らしていました。水道管が壊れ、建物は傾き、外壁は崩れたせいで雨風をしのぐことはできず、日常生活を送るのもままならない惨状でした。美鈴さんは避難所生活を余儀なくされ、そこから会社への道のりは車で片道1時間。長引