アイビー・チャンさんは自分を勝ち組だと思っていた。化学を学んだ後、2016年に中国の大手不動産会社に入社した。毎日午後11時まで働き、「営業チャンピオン」になると、より大きな都市に転勤した。 彼女は限られた休日には550ドル(約8万6000円)の高級スパというぜいたくを定期的に楽しんだ。稼ぎが多いこともあり、こうした出費は気にならなかった。 チャンさんが同僚らと販売してい物件は、誰もが欲しがった。不動産を所有することは、しばしば結婚の前提条件となるほど不可欠だった。 資産の保全や保険、老後の蓄えといった機能を兼ね備えていたのが住宅だった。ブルームバーグ・エコノミクスによれば、不動産は一時期、国内総生産(GDP)の約4分の1を占めていた。もっと高い比率を示した試算もあった。
![中国不動産業界、バブル終わりキャリア暗転-かつての勝ち組に挫折感](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e238d30406ccdae3e3e4ce7375e19fc3183cb998/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.bwbx.io%2Fimages%2Fusers%2FiqjWHBFdfxIU%2FiUaCBubIuuwU%2Fv0%2F1200x675.jpg)