「障害の有無に関わらず、誰でも必要な情報にアクセスできる社会になってほしい」。全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長はこう力を込めて語る。【鈴木啓純】 今年5月、ある1つの法律が公布・施行された。障害者の情報利用、意思疎通などを円滑化する施策を展開して共生社会の実現を目指す「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」だ。 新法の概要はこちらの記事から そこで、法律の制定まで12年間にわたって力を尽くし、ご自身もろう者である石野理事長を直撃。手話通訳者を通して、ろう者として生活する苦労や新法への期待、介護職へのメッセージなどを幅広く伺った。 ◆ 長かった法律制定までの12年 −− アクセシビリティ施策推進法が施行されました。今、石野理事長はどんな思いを抱いていますか? 《 全日本ろうあ連盟・石野富志三郎理事長 》 まず、この法律を制定することになった経緯を説明させてください。