何という凋落ぶりだろう──。2年前、米下院の公聴会に出席した元ヘッジファンドと製薬会社の最高経営責任者(CEO)だったマーティン・シュクレリは、米国憲法修正第5条に基づく黙秘権を盾に証言を拒否、薄ら笑いを浮かべるだけで済ませた。 だが、3月9日にニューヨークの連邦裁判所に出廷したシュクレリ被告(34)の顔からは、その薄ら笑いは消えていた。それどころか、何度かすすり泣き、寛大な裁きを判事に懇願した。だが、判事は証券詐欺罪で禁錮7年の量刑を言い渡した。シュクレリは、許されない罪を犯したのだ。 16歳で「疑わしい」取引 アルバニアとクロアチアからの移民を両親に持つシュクレリのキャリアは、興味深いものだ。最初に米証券取引委員会(SEC)から調査を受けたのは、16歳だった2000年。うまく空売りを続けていたことが疑わしいとされたためだったが、このときは罪に問われることはなかった。 ニューヨーク市立大