エンジニアはプロマネに、プロマネは顧客に、なぜ「助けてください」と言わないのだろう?――IT“業界”解説シリーズ、第6弾はベンダーの営業やプロマネの安請け合いを考えます。 複雑怪奇なIT“業界”を解説する本連載、第1弾はIT業界にまん延する多重下請け構造と偽装請負について、第2弾は多重下請け構造が起こる仕組みについて、第3弾はシステム開発プロジェクトには複数の契約形態が混在することを、第4弾はユーザーはなぜプロジェクトに協力したがらないのか、第5弾は「案件ガチャ」が起こるメカニズムを、説明した。 今回は、ベンダーのフロントの謎を解説する。彼らはなぜ、内実も知らずに(もしくは、知っているのに)「お任せください」と約束してしまうのか――。 「お任せください」の危険 私が裁判所でよく聞いた言葉の1つが、ITベンダーの「お任せください」でした。 プロジェクトの進捗(しんちょく)が徐々に遅れてきた、