風雲急を告げる社内。まさに、権力を巡って、壮絶なる戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。体調を崩して昨秋から休養していた社長が、年明け早々復帰したのだ。予定よりも早い電撃復帰。社長不在のあいだにツメアトを残そうとして、自爆を繰り返していた専務派は隠蔽工作も間に合わず大慌てである。 僕は、社長派でも専務派でもない。だが社長の意向で中途入社して営業部門の責任者に就いたため、専務派からは社長派の急先鋒と見られていた。数々の仕打ち、嫌がらせを受けた。刺客を放たれ失脚を覚悟した。だが、これで終わり。これからは俺のターンである。ザマーミロ。ボスは療養中も会社の情報をマメにチェックしており、ほぼ正確に状況を把握していた。ITに疎い専務派の年寄りたちは、社長がなぜ会社の状況を知っているのか理解できていない模様。それでも専務は不敵な笑みを見せた。勝算があるのか?僕は来る壮絶な決戦に震えた。 復帰早々幹部