毎晩深夜2時まで怒鳴られたり叩かれたりしながら勉強させられる日々は、まだ10歳や11歳だった私の心身を次々と蝕んだ。 小学校の登校時間は8時25分なのに、私は8時15分になっても起きることができなかった。肩と背中が凝り固まって重く、立つと目の前がちかちかとして立ち眩みが起きた。今思えば、これは自律神経の乱れによる「起立性調節障害」と呼ばれるものだろう。だから私は遅刻をよくしていた。朝礼で校庭に全校生徒が集まる中、校長先生が朝礼台で話をしている後ろをぼーっとした表情で横切って下駄箱に向かう私のことをクラスメイトがおぼえていて、十数年後に話して聞かせれくれた。そう言えばそうだったかもしれないと、私は哀しくなった。 私の自慢は両目の視力がとても良いことだった。「よくあんな遠くのもの見えるね」「目が大きいから視力がいいのかな」と友達に言われて私は得意だった。しかし眠くなっても目が疲れてもやめさせて