バンクシーのネズミはなぜ傘をさしているのか? ストリートの現実主義とファンタジー 2019年1月に東京・日の出で発見され、都が撤去した「バンクシー作品らしきネズミの絵」。本作の議論のひとつが、バンクシーのものかという作品の真贋。また、バンクシー本人によるものだと判明した場合にも、作品を一般公開することは公共物に描かれた「落書き」を都が認めることになり、ダブルスタンダードではないかという批判も出ている。また、バンクシーの手法を真似た作品も日本各地に出現するなか、「この騒動すべてがバンクシーの作品と呼べるのではないか」という指摘もある。バンクシーに直接インタビューをした経験を持ち、バンクシーに関する本の翻訳を多く手がけてきた鈴木沓子は、一連の騒動をどう見ているのか。作品の意味を解説する。 文=鈴木沓子 東京・日の出駅近くの防潮扉で発見されたラット(ネズミ)のステンシル画 画像提供=東京都 バン
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